【インタビュー】統合失調症から立ち上がったすべてのきっかけは小さな勇気であった

人はいつだって立ち直れる!そんな強さと情熱を知ることができるインタビュー書き起こし。

 

 

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本日は小さな勇気さん(仮名)にお話しをお聞きしてきた内容をまとめました。

小さな勇気さんは、かつて統合失調症を患われており、そこからご自身の想いで立ち直られたご体験をされています。現在は、インターネット広告の会社でSEO対策、デザイナーのお仕事をされています。 お話を以下に書き起こしさせて頂きました。

 

 

ヴェルファーレ六本木との出会い

まず、少々昔の話になりますが、私は大学在学中にディスコでバイトをしていました。時代的にも当時はディスコの大ブーム期。当時から音楽が大好きで、選んだ仕事だったのですが、やはりお酒を運んだり、出したりする仕事は結構な重労働でした。

その時は、なんとなく自分の居場所みたいなものを探していて、色々なところに首を突っ込んでいました。しかし通っていくうちに、ディスコはノリが違っていた気がして、より楽しめる場所を探していましたね。 

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写真元:webnew type

そんな時、当時ひときわ流行っていた、ヴェルファーレ六本木の日曜パーティに参加したんです。

友人に誘われてなんとなく参加したのですが、衝撃はその扉を明けた瞬間でした。今までになかった、居心地の良い雰囲気を直感的に感じ取ったんです。自分が探していた居場所はここだ!と思いましたね。

 

その後は大学卒業も挟みましたが、3年ほど、大きいDJのパーティに行くことに夢中でした。平日はアルバイト、週末はクラブ、といった様に、音楽漬けの生活でした。異空間というか、日常にないあの雰囲気がたまらなく良かったですね。いまのクラブなんてまだまだですよ(笑)。

実はそのとき、いわゆる薬にも手を出してしまうこともありました。これにつれて、少しずつ自分が嫌になり、次第に生活が荒れていってしまいました。

 

そんな生活を続け、2000年に近づくにつれ、ヴェルファーレの人気も下がってきました。僕も当時、クラブ通いもアルバイトもやめて、東京近郊を旅していたのですが、ある時、再び衝撃的なものと出会ったんですよ。

 

バックパッカーの本との出会い

その当時は利用され始めたばかりでしたが、インターネットで、あるバックパッカーの本を知ったんですよ。その本によると、いまはタイなかでもバンコクがバックパッカーの中で熱いらしいと。

当時の僕は、村上龍さんの小説「限りなく透明に近いブルー」ではないですが、生活が荒んでいた自分が嫌になり、それでも自分を変えたいと思っていたところだったんです。

いま思うと、そのときの自分は、根っこは腐っていなかった。まだまだ、遊びたい!という逃げの気持ちと、更生したい!という気持ちが半分半分。若気の至りって感じも少なからずありましたからね。

 

でもドジがあった自分を変えたい、とこの時強く思ったんです。海外にバックパックしにいくことで、自分を変えられるかもしれないと安易ながら思いました。

それから、専門書やインターネットで情報を調べました。事象としては小さな事かもしれませんが、僕は目標を立てることで自身が変わった。実は中学受験をしていて、ずっとエスカレーターで進学してきたのですが、目標を立てることは、当時の自分を思い出せた気がしました。まだ実家にいましたが、この時は親にも、誰にも相談しませんでしたね。衝動に駆られるように、といった感じですかね。

 

自分を変える決断

3ヶ月ほど、順調に旅の準備を進め、いざ旅立とうという直前(なんと一日前!)に、SARSが大流行という報道がマスコミで大きく取り上げられました。海外渡航は基本的に禁止せよ、といった内容でした。

この時、マニラ経由のバンコクを計画していたのですが、行ったら死ぬかもしれない、と本気で思いましたね。だが、僕は行くことに決めたんです。自分を変えたいという思い、小さな勇気、小さな一歩を踏み出したかった。はじめて、自分自身が自立した瞬間でした

  

でも、いってみたら、実際は報道されているよりも全然危険ではなかった。

マスコミの報道がいかに現地に溶け込んでない報道をしているか、その時ふと感じました。

 

バンコクで2ヶ月を過ごした後、日本に帰国しました。自分が変わるきっかけを、バックパックを通じて感じ、日本で新しい事をはじめようと考えていたんです。

年齢的にも20代後半になるところでした。

 

そんなときでした。統合失調症という病気を発症したんです。

 

統合失調症を発症

病気になり、ずっと刑務所に入ったような感じでした。

何もかも0になった感覚。意欲はない、やる気はない、薬飲まなきゃやっていられない。とても辛かった。根が真面目な自分が、悪いことにハマりすぎてしまってつけが回ってきてしまった感じでした。

そこから数年間、復帰するために病気と戦う事になりました。この時は本当に辛かったですね。

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もう一つの小さな勇気

闘病中、数年間は誰とも会ってなかった、いや、会話すらしていませんでした。友人とも縁を切っていて、家族とも会話をしていませんでした。

そんな時に父が他界。これまで両親が稼いでくれたことに対して、ありがたみを感じてこれなかった自分が、初めて両親の存在の大きさに気付き、申し訳ない気持ちでいっぱいだった。しかし、このままで自分は終われない。そのとき、また強く思ったんです。

 

病院で道行く、他の患者さんに勇気を振り絞り、自分からこう声をかけました。

 

「調子はどうですか」

 

それは実に3年ぶりの人との会話でした。でもふとしたその一つで、昔の自分を思い出せた気がしたんです。

 

その勇気がきっかけで、少しずつリハビリを頑張っていこうと思いました。時間はかかりましたが、徐々に元の生活を取り戻していきました。

 

あるとき、社会福祉の方に相談し、職業訓練センターをご紹介頂きました。この時はまだ、とりあえず行くことにはしたものの、見に行くだけならいいだろうという軽い気持ちでもあって、決断は避けていたんです。でも、行動してみると不思議なもので、前に進むことができる。

 

この日でした。電車に乗って自宅の方を眺めた時、ふと、母の事を考えたんです。そして強く、決意しました。

 

「母を一人で残してはならない、自分はしっかりする」と。

 

その日、訓練学校に通って社会復帰することを決断しました。きっかけはやっぱり小さな勇気なんですよね

 

一歩突き抜けた瞬間

そこから訓練学校に正式に通い始めました。僕は、即戦力ITコースというものを選びました。

基礎からやるコースでしたが、授業は大変でしたよ。でも、その時の先生がとても良い人で、自分の中に眠っている自己解決力を呼びだそうとしてくれました。三度、良い出会いがありましたね。

具体的なサンプルを見て理解しなさい、と。でも理解した時は、とても褒めてくれる良い先生でした。昔の中学受験の時の事を思い出し、考えながらひたすらコードを書きました。

 

実は、職業訓練学校に来る方もいろんな方がいて、残念なことに最終的に就職できる、社会復帰できる人は少ないんです。私のクラスでも、当時200人くらいの人がいましたが、最終的に卒業し、エンジニアやデザイナーとなれた人は2人しかいなかった。

それでも僕がなんとかできたのは、様々な出会いと、小さな勇気があったからだと思うんです。

 

こう言ったらおかしいかもしれない。でも、僕は病気になってよかったかもしれない、病気で色々なことを知ることができた。今ではそう考えているんです。 

 

 

Sticky Believe In Yourself

最後に一つだけ皆さんにお伝えすることができるなら、この言葉を言いたいと思います。

それは僕の好きな言葉で、believe in myself (自己を信じる)と、be eager to something(何かをすることに渇望する)というものです。

突き抜けたいと思うすべての方も、自己を信じて何かをやりたい、という気持ちを是非持ってください。小さな勇気を持って踏み出せば、きっと結果はついてくると思います。

  

聞き手より

小さな勇気さんの「勇気」は大きな結果を生みだされています。過去の自分を肯定し、これからの生活に繋げられている力強さ、また思いの強さは、とても素晴らしく思います。今後は様々な方の居場所となるお店を作りたいとお聞きしましたが、否定していたご自身のご経験があったからこそ、多くの方の気持ちがわかるのだと思います。

 

また一点最後にお聞きしたことですが、小さな勇気さんは、2014年東京都知事立候補の某氏の選挙事務所を訪問した際、このように感じたそうです。

 

「はじめて事務所の扉を空けた瞬間、はじめて自分がヴェルファーレ六本木に行った時と同じ空気、ホームな雰囲気を感じました。そこにいる人の表情や雰囲気が、” 居場所 “というものを醸し出していたんです。」

人にはそれぞれの居場所が必要。しかしそれは自分で見つけていくもの、そしてきっとそんな場所を見つけることができる。まさに小さな勇気さんは、ご自身の体験を通じてその事を伝えてくださりました。

ありがとうございました!

ポイント

一歩突き抜けるために、時に小さな勇気を持って行動する

自分を変えるために、常に「なにかをやりたい」を持っておく

必ず自分自身ができる事を信じ、出会いを活かして決断する

 

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