世界中のオフィスが定額で使える、WeWorkより個室・デザイン重視なコワーキングスペース「Spaces」詳細をレポート。

オランダ発のコワーキングスペース「Spaces」サンフランシスコオフィスを利用して詳細を纏めました。

 

 

WeWorkで注目が集まるコワーキングスペース企業。

かねてより話題になっていた、オランダ発で欧州を中心に世界80箇所以上で展開する「Spaces」を利用してきました。ざっくりレポートします。

今回利用したのはサンフランシスコのMission and 3rdオフィス。マーケットストリートに近い、サンフランシスコダウンタウンの中心にあります。

ロサンゼルス周辺のサンタモニカオフィスを利用したかったのですが、こちらは2017年10月オープンとのことで、電話で問合せて聞いたのみで利用できておらず、今回サンフランシスコへ行ったついでに訪問してみました。

 

さて、「WeWorkとどう違うのか?」という点が肝かと思いますので、まずWeWorkと諸々のことを比較してみます。

Spacesは拠点数が多く世界中のオフィスを無料で使えるのが特徴(他のコワーキングスペースにもない利点)ですが、無料アメニティが充実していない、イベントが少ないなどのデメリットもあります。(WeWorkはどの拠点のイベントも無料で参加可能

※WeWorkは、2018年9月現在、28ヶ国・87都市・455ヶ所で展開中

 

なお、ホットスペースとは固定席がなく、共用スペースをフリーで利用できるメンバーシップのこと。基本的に、フリーランスの方や1人で起業した場合は、固定席を持たない人も多いです。

 

Web上で拾える情報はこんな感じですが、「実際行ってみてどうなのか」をここから書きたいと思います。

 

1.少人数用の個室スペースがたくさんある

どこの拠点のオフィスかで内装は違うので、一概に比較するのは難しいのですが、SpacesはWeWorkよりも、一つひとつの机の島が十分に離れており、「少人数用の個室スペース」が多い印象がありました。

こちらがSpaces。広い居室内に個室空間がたくさんある感じです。

下がWeWork。どちらかというと、広く開放的な場で多くの人が作業している感じです。

 

これ勘違いでは、、とも思ったのですが、調べてみると、WeWorkはホットスペース(共用席)の占める割合がオフィス全体の中でも少なく(当初は全体の15%ほどであった模様)、固定席が多いため、共用席が狭くなっているようです。

逆にSpacesは世界中のオフィスを定額で使えるため、非固定ユーザ(共用席ユーザを使用するユーザ)に向けたデザインであるように見受けられました。

 

2.デザインに「特に」力を入れたオフィス環境

メンバーが集まるその場を快適空間にするため、デザインに拘っているのはWeWorkもSpacesも同じだと思いますが、Spacesはとりわけ強い拘りがある様です。

WeWorkはオフィスライク。我々(Spaces)はよりデザイン重視」と、話を聞いたGeannaエリアマネージャーは言うように、おしゃれな作りが目立ちます。

確かに素人目に見ても、アート性が高い環境(であるような気がした)だと思いました。

 

3.とにかく絵がたくさんある

デザインに力を入れている象徴的な点として、飾ってある「絵の数」が圧倒的に多いです。

もうここはギャラリーなんじゃないか、と思うくらいたくさん絵が飾ってあります。

また、コワーキングスペースによくある「メッセージ」の数も多かったです。

 

遊び道具も豊富にありました。

 

4.世界を旅するノマド向き?

前述の通り、世界中のオフィスを定額で使えることがウリのSpaces。サイトでイベント情報を見てみると、デフォルトで世界中のイベントがソートされてきます。

WeWorkは登録オフィスごとに完結している感があるのですが、Spacesはどちらかというと、世界中の様々なところから人が来ている感じがしました。

フランス語や中国語(立地柄?)も多く聞こえ、どことなくアメリカ以外のユーザーも多いような気がしたこともその象徴かもしれません。

 

所感ですが、このMission and 3rdオフィスは、(オープンしてまだ3ヶ月ということもあり)WeWorkと比べ圧倒的に人が少なく、空間が非常に広く、とても開放的に感じました。

また、WeWorkにあるオンライン上のネットワークコミュニティはSpacesになく、世界中のユーザが行ったり来たりする空間である以上、そういったものがあるとより盛り上がりそう、と個人的に勝手に思いました。

(もっとも、この仕組みは他のコワーキングスペースにおいても見当たらないので、WeWork独自の仕組みと言えると思います。)

 

 

シェアリングエコノミーの中でも、オフィス賃料が高いアメリカでは、ますます競争が激化しそうなコワーキングスペース事業。

東京にもあるようなので、出張で海外に多く行かれる方にも役立つかもしれません。

 

引き続きアメリカのテクノロジーやシステムの体験レポートを書いていきます。

お読みいただき、ありがとうございました。

 

WeWorkなどアメリカにある他のコワーキングスペースも以前利用レポート書いています。こちらもよろしければ。

【WeWorkだけじゃない】利用して分かったアメリカのおすすめコワーキングスペース7選レポート

東京都出身。2011年から株式会社NTTデータで勤務し、在職中にIT責任者として一年半アメリカ・ロサンゼルスに駐在。インド案件を経て帰国後、株式会社メルカリに転職。2018年末独立、2019年起業し、三度目の渡米でニューヨークへ。インターネットが好きです。