こんにちは。前回に続き、Y Combinator Demo Day2の注目企業を紹介していきたいと思います。
まず今回2日間、132社の業界別ラインナップをもう一度。
B2B Software and Services: 30%
Healthcare: 28%
Consumer Goods and Services: 9%
Consumer Media: 7%
Fintech: 6%
Blockchain: 5%
Real Estate and Construction: 4%
Aerospace: 3%
Education: 3%
Automotive: 2%
Agriculture: 1%
Government: 1%
Industrial: 1%
グラフ化したのが以下
法人向けサービス、ヘルスケアが突出して高いのが分かりますね。
前回は法人向けサービスを多く紹介したため、今回はヘルスケアを中心に5社をピックアップしてご紹介します。
Papa
高齢者の孤独解消に向けた、高齢者と大学生とを繋ぐマッチングサービス。
いわゆる “孫活” というべきものか、大学生が高齢者に対して、運転や掃除、スポーツをして一緒に遊ぶ・読書などのサービスを提供するものです。1時間15ドルから。
このサービスでアメリカだけで5,000万人の高齢者がターゲットとなるといいます。
同社によると、健康で文化的な生活を送るために「社会交流」が鍵とのこと、これは市場の大きさを考えても日本でも展開可能なモデルですね。
CB Therapeutics
こちらは医療用大麻関連のスタートアップです。
CEOは元研究者のSher Butt。同氏は「植物性のカンナビノイドは、人が感じる痛みやてんかんに効果が高い、しかし高価である」とし、その解決に取り組んでいます。
カンナビノイドとは、マリファナの原料である大麻に60種以上含まれている物質です。
同社は従来に比べ、コスト1/10、生産量が24倍で生産できる手法を発見しています。
スイスの大手製薬企業であるNovartis、SB Labsら医療用大麻の販売に知見があるメンバーと連携し、医療業界に新たなインパクトを起こしそうな企業です。
HeyDoctor
全米19州で展開中の、オンライン処方箋サービスです。
アメリカは保険加入の事情が日本と異なり、国民全員が加入する保険がないため(現状83%程度)、医師の診断を受ける費用が高騰化する恐れがあり、このサービスの価値が高いと言えると思います。
保険不要で、かつ自宅から処方箋を取得できるのは素晴らしいです。同社は新しい医療記録のプラットフォーム化を目指しており、過去6ヶ月で125,000件の申し込みがありました。
月に22%の成長、月間で$105,000の収益を上げており、急成長していることがわかります。
なお、同じく国民全員が健康保険に加入しているわけではないインドでも同様に、問診→処方箋提供がオンラインで完結するサービス Docs Appがあります。
インドでは医師の診断のうち、緊急度が高いものが全体の2割程度である(つまり必ずしも来院を必要としない)ことから、このサービスの価値が高いことがわかります。
日本でも医療規制が撤廃され、遠隔医療がより浸透すると便利ですね。
LemonBox
中国人起業家チームによる、中国人向け、アメリカのサプリメントを販売するE-Commerceです。
中国では、日本製品同様、アメリカのヘルスケア製品の需要が高く、これを安価で定期購入できることが同社のサービスの特徴です。
中国に住む中国人向けのテックメディア硅谷密探などもあるように、中国人のアメリカ内の需要は一定量大きなものがあるため、拡大が期待されるサービスです。
Grin
最後はラテンアメリカ向けのスクーターシェアサービス。
現在アメリカでは一部規制が始まっているものの、春先頃から西海岸を中心に大旋風を巻き起こしているBirdやLime Bikeなどのスクーターシェア。
この動きは(主に同社にて)現在、ヨーロッパや中東にも広がりつつあり、南米でも別企業によるサービスが続々立ち上がっており、メキシコシティに本社を構える同社が、南米でのスクーターブームに拍車をかけています。
参考:アメリカテックレポート 2018年5月編(Amazon Go、スクーターシェア、シリコンビーチetc,)
さて、今回は以上5つをご紹介しました。注目サービスはありましたでしょうか?
また気になったサービスを取り上げていきます。